神社での昇殿参拝(正式参拝)についてです。昇殿参拝では、正式な作法に則り、身だしなみを整え神様に御祈願をします。玉串料をいくら用意すればいいのか、どんな服装で行けばいいのか、不安に感じていませんか。正式参拝やご祈祷を受ける際には、一般的な参拝とは異なるマナーや作法があり、特にお宮参りや七五三、厄除けといった人生の節目では失礼のないようにしたいものです。
玉串料の金額相場はどれくらいなのか、初穂料との違いは何か、のし袋の書き方はどうすればいいのか。また、男性や女性それぞれにふさわしいフォーマルな服装とは何か、スーツや和装ではどのような点に気をつければいいのか。こうした疑問を一つひとつ解消していくことで、安心して昇殿参拝に臨むことができます。
この記事では、昇殿参拝における玉串料と服装について、神社検定の知識をもとに詳しく解説していきます。
- 玉串料と初穂料の違いと正しい使い分け方
- 昇殿参拝の玉串料の相場とのし袋の書き方
- 男性・女性それぞれにふさわしい服装マナー
- 避けるべき服装と和装で参拝する際の注意点
昇殿参拝(正式参拝)

普段の参拝とは違い、より改まって正式に参拝するときや、特別な御祈願、御祈祷がある場合に昇殿参拝(正式参拝)をして神職に祝詞をあげてもらいます。
男性はネクタイやジャケットを着用し、サンダル履きや肌の露出を控えたきちんとした服装などの正装でお参りします。
昇殿参拝(正式参拝)の申し込み

あらかじめ社務所か授与所などで申し込みを済ませてから、職員の案内に従って拝殿や神楽殿等で正式に神様に参拝することをいいます。

さらに特別な形式の特別参拝や御垣内参拝などもあります。
玉串料・御榊料・初穂料

玉串(榊の枝に紙垂や木綿を付けたもの)の代わりとして、神様にお供えする金品のことをいいます。現金(初穂料)や日本酒(奉献酒)を申し込み時に奉納したり、初物の作物や鮮魚などをお供えとして奉納します。
ご神前に金品やお酒などを奉納するときの表書き
「初穂料」「玉串料」「御神前」「上」「奉献」「奉納」などと書きます。神式の葬儀のお供えの場合は「御霊前」「玉串料」「御榊料」などと書きます。

「御榊料(おさかきりょう)」「御供(おそなえ)」などと書く場合もあります。
昇殿参拝における玉串料の基本知識とマナー

昇殿参拝では、神職によるご祈祷やお祓いを受けるため、玉串料を納めることが一般的です。ここでは、玉串料の基本的な知識から、初穂料との違い、金額の相場、のし袋の書き方まで、詳しく解説していきます。
玉串料とは何か

玉串料とは、神社でのご祈祷や各種神事の際に納める金銭のことを指します。本来、玉串とは榊の枝に紙垂(しで)と呼ばれる白い紙を付けたものを指し、これを神前にお供えする儀式が玉串奉奠(たまぐしほうてん)です。
現代では、実際の玉串の代わりとして金銭を納めることが一般的になり、これを玉串料と呼ぶようになりました。玉串料は、神様への感謝の気持ちや祈願の真摯さを表すものとして、昇殿参拝の際に欠かせないものです。
玉串料は、慶事だけでなく弔事にも使用できるという特徴があります。お宮参りや七五三、結婚式といったお祝いの場面はもちろん、神道式の葬儀においても玉串料という名目で金銭を納めます。
玉串料と初穂料の違いと使い分け

昇殿参拝の際、玉串料と初穂料のどちらを納めればいいのか迷う方も多いでしょう。この二つは似ているようで、実は由来と使用場面に違いがあります。
初穂料の由来と用途
初穂料は、その年に初めて収穫された稲穂などを神様にお供えしたことに由来します。豊作への感謝と祈願の意味が込められており、現代ではその代わりとして金銭を納めるようになりました。
初穂料は基本的に慶事のみに使用されます。お宮参り、七五三、安産祈願、合格祈願、厄除けといったお祝いやご祈祷の際に用いられるのが一般的です。
玉串料の由来と用途
一方、玉串料は玉串そのものの代わりとして納める金銭です。玉串料は慶事と弔事の両方で使用できるという点が初穂料との大きな違いです。
お祝いの場面でも使えますし、神道式の葬儀や霊祭といった弔事でも使用できます。ただし、初穂料は弔事では使用できませんので、この点は注意が必要です。
使い分けのポイント
- 慶事の場合:初穂料が一般的だが、玉串料も使用可能
- 弔事の場合:玉串料のみ使用可能(初穂料は不可が多い)
- 迷った場合:慶事なら初穂料、両方に使える玉串料も間違いではない
多くの神社では、慶事において玉串料と初穂料のどちらを使用しても差し支えありません。ただし、事前に神社に確認すると、より確実です。
昇殿参拝の玉串料の相場

玉串料の金額は、神社やご祈願の種類によって異なりますが、一般的な相場を知っておくことで、適切な金額を用意することができます。
慶事における玉串料の相場
お宮参りや七五三といった人生の節目では、5,000円から10,000円程度が一般的な相場です。多くの神社では、5,000円から受け付けているところが多く、10,000円を納めるとより丁寧な印象を与えます。
結婚式での玉串料は、10,000円から30,000円程度が目安とされています。地鎮祭の場合は、20,000円以上が一般的ですが、祈祷の内容によって異なるため、事前に神社に確認することをおすすめします。
金額によって変わるもの
神社によっては、納める玉串料の金額によって、授与される御神符(おふだ)の大きさや、撤下品(おさがり)の内容が変わることがあります。また、特定の金額以上で巫女による御神楽が付く場合もあります。
玉串料は「お気持ち」
玉串料は神様への感謝の気持ちを表すものであり、金額に厳密な決まりはありません。ただし、一般的な相場を参考にすることで、失礼のない金額を納めることができます。
会社や団体での祈祷
会社や団体で昇殿参拝を行う場合は、30,000円から50,000円、またはそれ以上と高めに設定されていることが一般的です。
金額に不安がある場合は、参拝予定の神社のウェブサイトを確認するか、直接問い合わせることが最も確実です。
のし袋の書き方と渡し方

玉串料を納める際には、のし袋に入れて渡すのがマナーです。正しい書き方と渡し方を知っておくことで、スムーズに受付を済ませることができます。
のし袋の選び方
慶事の場合は、紅白の蝶結びの水引が付いた祝儀袋を使用します。蝶結びは、何度繰り返しても喜ばしいことに使われる結び方です。お宮参りや七五三、厄払いなどはこちらを選びます。
結婚式の場合は、二度と繰り返さないようにという願いを込めて、結び切りの水引を選びます。
表書きの書き方
のし袋の表面、水引の上部には「御玉串料」または「玉串料」と記入します。丁寧な表現として「御」を付けるのが一般的です。慶事の場合は「初穂料」「御初穂料」も広く用いられます。
水引の下部には、ご祈祷を受ける方のフルネームを中央に記入します。お宮参りの場合は赤ちゃんのフルネーム、七五三の場合はお子様のフルネームを記入してください。
| 場面 | 表書き(上部) | 名前(下部) |
|---|---|---|
| お宮参り | 御初穂料 / 御玉串料 | 赤ちゃんのフルネーム |
| 七五三 | 御初穂料 / 御玉串料 | お子様のフルネーム |
| 厄除け | 御初穂料 / 御玉串料 | ご本人のフルネーム |
| 結婚式 | 御玉串料 | 新郎新婦のフルネーム |
中袋の書き方
のし袋に中袋がある場合は、表面の中央に包んだ金額を漢数字(大字)で記入します。日常で使う算用数字ではなく、壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)などの旧字体を使用します。
例えば、10,000円であれば「壱萬円」、30,000円であれば「参萬円」と記入します。裏面の左下には、郵便番号、住所、氏名を記載してください。
渡し方のマナー
玉串料を包んだのし袋は、そのまま手で持ち運ばず、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのがマナーです。神社の社務所や受付で、袱紗から取り出し、相手に表書きが読める向きにして両手で渡しましょう。
通常は、ご祈祷の申込用紙を記入する際に一緒に渡します。
新札を用意すべき理由

慶事で玉串料を納める際には、新札を用意するのがマナーとされています。これは、神様への敬意を表すとともに、お祝いの気持ちを示すためです。
新札は、銀行の窓口で両替することができます。特にお宮参りや七五三のシーズンは混雑することがあるため、余裕を持って準備しておくことをおすすめします。
弔事の場合は旧札を使用
神道式の葬儀など弔事の場合は、新札は避けて旧札を使用するのがマナーです。これは、不幸を予期して準備していたという印象を避けるためです。
お札の向きにもマナーがあります。慶事の場合は、お札の肖像画が描かれた面を上にして、封筒の表側から見て肖像画が上になるように入れます。
昇殿参拝にふさわしい服装とは

昇殿参拝は神聖な場所で行われるため、服装にも配慮が必要です。ここでは、男性と女性それぞれにふさわしい服装マナーから、避けるべき服装、和装で参拝する場合の注意点まで、詳しく解説していきます。
参拝形式

立礼と座礼があります。
- 立礼(りゅうれい)とは、立ったまま拝礼することをいいます。
胡床(こしょう)などの腰掛や備え付けの椅子が用意されています。
- 座礼(ざれい)とは座って拝礼することをいいます。主に正座をして拝礼します。

本殿の真ん中にあたる中心線(正中)は、神様の通り道なのでに座ってはならないとされています。職員の指示に従いましょう。
男性の服装マナー

昇殿参拝における男性の服装は、ジャケットとネクタイを着用したスーツスタイルが基本です。神様への敬意を示すため、きちんと整えられた服装を心がけましょう。
推奨される服装
ダークカラー(黒や紺など)のスーツに白のワイシャツ、ネクタイ着用が最も適切です。ビジネススーツでも問題ありませんが、フォーマルスーツの方がより格式に合っています。
夏季などには、襟付きのシャツにスラックスといった服装でも差し支えない場合がありますが、できればジャケットを持参することをおすすめします。
ネクタイの選び方
ネクタイは、派手な柄のものや明るすぎる色は避け、落ち着いた色合いのものを選びましょう。お宮参りや七五三の場合は、白や淡い色のネクタイが好ましいとされています。
靴と小物
靴は革靴が基本です。スニーカーやサンダルは避けてください。靴下も、派手な色や柄物は避け、黒や紺などの落ち着いた色を選びます。
腕時計やベルトなども、派手すぎないシンプルなデザインのものが適切です。
女性の服装マナー

女性の場合も、男性に準じたフォーマルな服装が適切です。神聖な場所であることを意識し、清潔感があり、露出を控えた服装を選びましょう。
推奨される服装
スーツや落ち着いたワンピース、セットアップなどがおすすめです。色は、黒、紺、グレー、ベージュなどの控えめな色を選び、シンプルかつ清潔感のあるデザインを心がけてください。
スカートの場合は、膝下丈が基本です。パンツスーツでも問題ありません。
ストッキングとアクセサリー
ストッキングは必ず着用してください。肌色または黒のシンプルなものが適切です。素足は避けましょう。
アクセサリーは、控えめで上品なものを選びます。大ぶりのものや派手なデザインは避け、パールなどのシンプルなものが好ましいです。
靴とバッグ
靴は、ヒールの高すぎないパンプスが基本です。ピンヒールは玉砂利に刺さるため避けてください。歩きやすく、脱ぎ履きしやすいものを選びましょう。
バッグも、派手すぎないフォーマルなデザインのものが適切です。
避けるべき服装

昇殿参拝では、カジュアルすぎる服装や露出の多い服装は避けるべきです。以下のような服装は、神様への敬意を欠くとみなされる可能性があります。
男性が避けるべき服装
- 裸足、タンクトップ、Tシャツ
- スウェット、ジャージ
- 短パン、カーゴパンツ、ジョガーパンツ
- ジーンズ(特にダメージ加工のあるもの)
- サンダル、ビーチサンダル、スニーカー(カジュアルすぎるもの)
女性が避けるべき服装
- ミニスカート
- 胸元や背中が大きく開いた服
- オフショルダー
- タンクトップ、キャミソール(単体での着用)
- 派手な色や柄物
- サンダル、ミュール、ハイヒール(ピンヒール)
全身黒や全身白は避ける
全身真っ黒、全身真っ白、全身グレーといった喪を連想させる単色の服装は避けましょう。黒い服を着用する場合は、全身黒にならないよう、差し色を入れるなどの工夫をしてください。
和装で参拝する場合の注意点

昇殿参拝を和装で行うことも、もちろん可能です。むしろ、和装は格式の高い正装として、神社参拝にふさわしい装いとされています。
男性の和装
男性の場合、紋付羽織袴が最も格式の高い正装です。一つ紋または三つ紋の羽織に、着物と袴を合わせます。
色は黒や紺などの落ち着いた色が基本です。派手な色や柄は避けましょう。
女性の和装
女性の場合、黒留袖や振袖が最上位の正装とされます。訪問着も華やかで良いですが、華美になりすぎないよう注意が必要です。
お宮参りや七五三で母親が和装を選ぶ場合は、訪問着、付け下げ、色無地などが適切です。主役である赤ちゃんやお子様を引き立てるため、派手すぎない色や柄を選びましょう。
和装の注意点
和装で昇殿参拝をする場合、以下の点に注意してください。
- 足袋は必ず着用する
- 草履は歩きやすいものを選ぶ
- 髪型も和装に合わせて整える
- 着崩れに注意し、事前に練習しておく
和装は格式が高い反面、着慣れていないと動きにくいこともあります。特に小さなお子様を抱っこする場合などは、動きやすさも考慮して選ぶことをおすすめします。
お子様連れの場合の服装

ご家族で昇殿参拝をする場合、付き添いのお子様の服装についても配慮が必要です。
お子様の服装の基本
特別な正装を用意する必要はありませんが、清潔感のあるきちんとした服装が好ましいです。普段着よりも少しフォーマルな服装を選びましょう。
男の子であれば、襟付きのシャツに長ズボン、女の子であれば、ワンピースやブラウスとスカートなどが適切です。
避けるべき服装
お子様の場合も、Tシャツ、短パン、サンダルといったカジュアルすぎる服装は避けましょう。キャラクターものの服も、できれば避けた方が無難です。
動きやすさも考慮
お子様の場合は、フォーマルさと動きやすさのバランスが大切です。あまりに窮屈な服装だと、ご祈祷中にぐずってしまうこともあります。清潔感がありつつ、動きやすい服装を選んであげてください。
昇殿参拝の玉串料と服装で押さえるべきポイント

昇殿参拝における玉串料と服装について、ここまで詳しく解説してきました。最後に、押さえるべき重要なポイントをまとめます。
玉串料のポイント
玉串料は、神様への感謝の気持ちを表すものです。金額の相場は、お宮参りや七五三で5,000円から10,000円程度が一般的ですが、神社によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
のし袋は紅白の蝶結びの水引付きのものを選び、表書きは「御玉串料」または「御初穂料」と記入します。新札を用意し、袱紗に包んで持参することがマナーです。
服装のポイント
昇殿参拝の服装は、神様への敬意を示すため、フォーマルな装いが基本です。男性はスーツにネクタイ、女性はスーツやワンピースなど、清潔感があり、露出を控えた服装を選びましょう。
カジュアルすぎる服装や派手な色柄は避け、落ち着いた色合いのものを選ぶことが大切です。和装で参拝する場合は、格式に合った正装を選び、着崩れに注意してください。
参拝後の作法

参拝終了後は、ご本殿に向けて一礼します。
あらかじめ用意された御札や御守りなどの授与品をいただく場合が多いです。
神社の最後の鳥居を出るときには、一礼して帰ります。(複数の鳥居がある場合、鳥居毎に足を止め本殿に向けて一礼するのがより丁寧な作法とされています。
最も大切なこと
玉串料の金額や服装のマナーも大切ですが、最も重要なのは、神様を敬い、清らかな気持ちで参拝する心持ちです。形式にとらわれすぎず、真摯な気持ちで昇殿参拝に臨んでください。
なお、神社によって細かい作法や金額が異なる場合がありますので、正確な情報は参拝予定の神社の公式サイトをご確認いただくか、直接お問い合わせください。最終的な判断は、ご自身の状況に合わせて行っていただくことをおすすめします。
正式参拝の流れ

- 修祓参列者の心身についた罪穢れを祓い神職が祓詞を奏上する
- 斎主一拝斎主が神前に進み一拝、参列者も合わせて一拝する
- 献饌神饌を神様にお供えすること
- 祝詞奏上参列者の御祈願を斎主が神様に祈念する
- 玉串拝礼神様に玉串を奉る
- 撤饌祭員が神饌をお下げする
- 斎主一拝斎主が神前に進み一拝、参列者も合わせて一拝する
- 直会お下げした神饌やお神酒を飲食し神様の力をいただく


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