神社とは、神様を祀る神聖な場所で「神のための空間」のことです。
神社は、「宮みや」「社やしろ」「祠ほこら」などともいいます。
英語では shrine や Shinto shrine と呼ばれています。
- 神社…じんじゃ
万葉集では「もり」と詠われています。 - 社…やしろ
やは「弥」しろは「城」とされ神の空間と意味されています。 - 宮…みや
「御屋」で格の高い神社に使われています。 - 祠…ほこら
「秀倉」からきているとされます。 - 杜…もり
神の森である「鎮守の杜」にはこの字が使われています。
万葉集に「木綿懸けて齊ふこの神社」や「木綿懸けて祭る三諸の神さびて」という歌もあり、
木綿を懸けた榊は神域の堺であることをうたっています。
木綿(ゆう)とは、楮(こうぞ)のことであり、それを原料とした布のことです。昔は紙や布はとても貴重で神様に奉納されました。
ここでは、「神社検定テキスト 神社のいろは」第1章の①鳥居について教えてくださいのページの内容を掘り下げて学習し、暗記しやすいようにスマホでも見やすい1ページにまとめてみました。
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神社の基本的な配置
鎮守の杜-ちんじゅのもり
多くの日本の神社は、うっそうとした森にかこまれている場合が多く、この森のことをを 鎮守の杜(ちんじゅのもり)といいます。
明治39年に行われた 神社合祀令 以降は、大事な鎮守の森を伐採するようになってしまいました。
また、その後の高度成長期の都市開発などでも、鎮守の杜は激減の一途をたどっていきました。
鳥居-とりい
神社の入口には 鳥居がたっています。
鳥居は、神域への 門であり、神社では鳥居をくぐると参道が続いています。
鳥居は、神域と人間が住む俗界をわける結界で、神域への入口を示しています。
複数の鳥居がある場合は、参道入り口の一番大きい鳥居が「一の鳥居」と呼ばれています。
鳥居が複数ある場合は、聖域が高まる段階ごとに設けられます。(一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居)
- 鳥居の数え方
単位は基(き)で、一基、二基、三基と数えます。 - 鳥居の語源
「通り入る」がなまったものというものや渡来説があります。 - 古事記
天の岩屋戸にお隠れになった天照大御神のお出ましを願った際の、鳥の「止まり木」を起源とする説もあります。 - 中国からの風習
朱は魔よけの意味があり朱塗が多いということです。また防腐剤の役目もあるそうです。 - 代表的な鳥居
明神系鳥居⛩と神明系鳥居⛩があります。 - 朱塗り
豊作を祈願し春の暖かさや、明るく正しい陽気を招くとのことから朱塗されたとのことです。
基本駅な鳥居の形
鳥居の各部分の名称をイラストにしてみました。
この各部分が付いていたりなかったりで様々な鳥居になっています。
鳥居の種類は、一説には60数種類にも及ぶといわれています。
代表的な二つの鳥居は「神明鳥居」と「明神鳥居」です。
鳥居の上部分の柱が一直線のものが神明鳥居
- 神明鳥居…笠木は五角形で反り増しがなく伊勢の神宮で使われています。内宮の鳥居には小石を積んだ寝巻がされています。(伊勢神宮内宮など)
- 黒木鳥居…樹皮で覆われている原始的な鳥居です。(野宮神社など)
- 靖国鳥居…貫が柱で止まり長方形、笠木は丸太です。(靖国神社など)
- 鹿島鳥居…額束が無く貫が柱を貫通しています。(鹿島神宮など)
- 八幡鳥居…島木があり貫に楔が打ち込まれていまする。(石清水八幡宮など)
- 宗忠鳥居…額束がある宗忠神社にある鳥居です。(宗忠神社など)
鳥居の上部分の柱が、上向きに反っているのが明神鳥居
- 台輪鳥居…稲荷神社に多く円柱の上の部分に台輪がついています。(伏見稲荷大社など)
- 明神鳥居…笠木と島木に反り増しがあり、額束がついています。(八坂神社など)
- 山王鳥居(合掌鳥居)…仏教色が強く合掌しているようにもみえる鳥居で、笠木の上が三角になっている鳥居です。(日吉大社など)
- 中山鳥居…岡山県の中山神社に見られる鳥居。貫が柱で止まっている鳥居です。
- 両部鳥居(四足鳥居)…柱の前後に控柱がつく鳥居。神仏習合の神社に多いものです。(厳島神社など)
- 三輪鳥居(三ツ鳥居)…明神鳥居にさらに鳥居がついています。(大神神社)
丹塗りの鳥居が一般的ですが、赤い色は耕作に適した春の温かさや、明るく正しい陽気を招くと考えられたからです。 引用:神社のいろは
豆知識
珍しい形の鳥居では三柱鳥居、奴禰鳥居、唐破風鳥居、内宮源・下宮宗鳥居などもあります。珍しい鳥居まとめ
注連縄-しめなわ
注連縄(しめなわ)を張り巡らした場所は清浄な場所とされ、不浄をもって侵してはならないとされています。
注連縄(七五三縄、〆縄、標縄 締縄 棒縄)を張るのは、神域に入らないようにするためのものです。
また「占め縄」という意味もあり、神が占めている場所という意味もあります。
古事記では「尻久米縄」とされ、天照大神様が岩屋から出てきたときに布刀玉命が「尻久米縄」を張ったということです。
神社によって大きさや形に違いがあり、藁で作られ藁の端で作った「注連の子」を垂らし紙垂を付けます。
注連縄の種類-しめなわのしゅるい
前垂注連、大根注連、牛蒡注連などがあります。
前垂注連(まえだれしめ)
一般的な注連縄で地鎮祭などに使用されます。
大根注連(だいこんじめ)
出雲大社に使われている形のもので中央が太いものです。
牛蒡注連(ごぼうじめ)
神社の拝殿に使われる一方が細くなっているものです。
神社の配置-じんじゃのはいち
手水舎(てみずしゃ、てみずや)
参道脇に配置されており、手杓が置いてあり水が流れているところがほとんどです。
参拝の前に手を洗い口をすすいで身を清める場所です。
(手水舎、御手洗、水盤舎などともいわれています。)
最近では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために撤去されたり、消毒薬が設置されたりしている場合もあります。
神楽殿(かぐらでん)舞殿(まいでん、ぶでん、まいどの)
神様に神楽や巫女舞のほか琴や尺八など演奏の奉納をするための舞台となる場所です。
社務所(しゃむしょ)
お祭りの準備や、神社の事務などを行う場所です。
拝殿(はいでん)
お祭りや日々の拝礼、祭祀や祈願などのご祈祷を行う場所です。
本殿と一体化した形状もあり、神饌を供える幣殿(中殿、合の間)の役割をする場合もあります。
本殿(ほんでん)
神様(ご神体)がお鎮まりになっている最も重要な場所です。普通は入ることができません。御本殿にはさまざまな建築様式があります。
鳥居についての問題です
これまでの神社検定試験で実際に出題された過去の問題です。
神社検定試験過去問題集に記載されたものを選んでみました。
問題1、2
神社の「門」にあたり、神域と俗界を分ける結界にもあたるものとは何でしょう?
- 鳥居
- 玉垣
- 狛犬
- 手水舎
②玉垣は社殿や聖域を取り囲むように設けられた垣のことをいいます。
③狛犬は邪気を祓い神前を守るという意味から拝殿前や参道に設置されています。
④手水舎は参拝の前に身を清めて神様の前に出る準備をするところです。
答えは1 鳥居(とりい)
過去の試験での出題
- 平成27年6月21日 第4回神社検定 問49
- 令和元年6月16日 第8回神社検定 問1
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