愛宕神社と秋葉神社は火の神をお祀りしていることから、「火伏せ、火防せ」の神として防火に御利益があるとされ広く信仰されています。
ここでは、「神社検定テキスト 神社のいろは」第3章の㉝愛宕さん秋葉さんについて教えてくださいのページの内容を掘り下げて学習し、暗記しやすいようにスマホでも見やすい1ページにまとめてみました。
第11回神社検定は、令和五年6月開催予定!
防火の神様
愛宕神社も秋葉神社もご祭神は、火の神様をお祀りしています。
愛宕神社は若宮に「迦遇槌命(かぐつちのみこと)」をお祀りしています。
秋葉神社は「火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)」をお祀りしています。
火之迦具土大神様
火之迦具土大神様は、古事記に登場しその御身からたくさんの大神さまを誕生させます。
伊邪那岐命は「愛しい妻を、たった一人の子と引き換えに失ってしまった。」と嘆いて、亡骸の傍で泣き叫び、「十拳剣(とつかのつるぎ)」で「迦具土神(かぐつちのかみ)」の首を斬り落としてしまいました。
すると剣の先についた血から神々が生まれました。剣の先に着いた血が岩場に飛び散ると「石折神(いわさくのかみ)」「根折神(ねさくのかみ)」「石筒之男神(いわつつのおかみ)」が生まれました。次に、剣の鍔(つば)についた血が流れて、甕速日神(みかはやひのかみ)」、「隨速日神(ひはやひのかみ)」「建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)(建布都神たけふつのかみ)(豊布都神とよふつのかみ)」が生まれました。次に剣の柄(つか)から手の指を伝って落ちた血から「闇瀧加美神(くらおかみのかみ)」「闇御津羽神(くらみつはのかみ)」が生まれました。迦具土神の頭と胸、腹、陰茎、左右の手足から、山津見神が八神生まれました。
この剣の名前は、「天之尾羽張(あめのおはばり)」、またの名は「伊都之尾羽張(いつのおはばり)」といいます。
火之迦具土大神神様から鹿島の武神、建御雷之男神が誕生されたという記述があります。
「おかみ」は龍を表します。
愛宕神社
京都にある愛宕神社は、京都の霊山である愛宕山上に鎮座する全国の愛宕神社の総本社で、若宮に「迦遇槌命(かぐつちのみこと)」をお祀りしています。
創建は大宝年間(701~704)に、修験道の祖とされる「役行者」と白山の開祖として知られる「泰澄」が愛宕山(朝日峰)に神廟建立したことに始まるとされています。
その後、天応元年(781)に「慶俊」「和気清麻呂」が尽力し白雲寺を建立し「愛宕大権現」として国家鎮護の道場としたとされています。
神仏習合の山岳修業霊場として9世紀頃には比叡山・比良山等と共に七高山の一つに数えられました。
本殿に本地仏である勝軍地蔵、奥の院(現・若宮社)に愛宕山の天狗太郎坊が祀られました。
本地仏の「勝軍地蔵」は、武家から勝利を導くとして多くの信仰を集めました。
境内には白雲寺をはじめとする寺院が建立され住坊がいましたが、神仏分離令で愛宕神社となりました。
本地仏の勝軍地蔵は神仏分離令の際、京都の金蔵寺に移されました。
平成15年9月28日には、愛宕神社御鎮座1300年祭が行われました。
神仏習合の山岳修業霊場として、9世紀頃には比叡山や比良山等と共に七高山の一つに数えられました。
千日詣-せんにちまいり
愛宕神社の千日詣は、正式には「千日通夜祭」といい毎年数万人の参拝者が訪れます。
古式に則り、山伏によるゴマ焚き神事もあり貴重なお祭りの一つとされています。
7月31日の夜から8月1日未明にかけて参拝すると、千日分の火伏・防火の御利益があるといわれています。
「愛宕の三つ参り」3歳までに参拝すると一生火事に遭わないとされています。
江戸時代には「伊勢には七度、熊野へ三度、愛宕さんへは月参り」といわれるようになり、庶民にも信仰を集めていきました。
愛宕神社のお札は「火迺要慎」と書かれたものが広く求められ、現在でも京都では店先や家庭の台所に貼られています。
秋葉神社
秋葉神社の総本社は静岡県浜松市の秋葉山本宮秋葉神社です。
古くは「岐陛保神ノ社」(キヘノホノカミノヤシロ)と称され、「秋葉大権現」となり、明治以降に「秋葉神社」となりました。
秋葉山本宮秋葉神社のご祭神は「火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)」です。
秋葉山の神様への信仰も修験者によって全国に広まっていたようです。
江戸時代には「秋葉大権現」として,さらに信仰を集めるようになります。
秋葉山本宮秋葉神社は、秋葉山頂に上社と気田川を臨む山麓に下社があります。
江戸時代には「秋葉祭」と称し、東海道沿いに秋葉大権現をのせた神輿を京都と江戸に向かって進んでいったことがありました。
江戸幕府はこれを禁じたことが噂となり、全国的に知られ各地で勧請され庶民の信仰を集めました。
秋葉街道は、掛川宿、東海道の名所となっていき発展していきました。
伊勢詣りや金比羅さん詣などの旅の途中に、秋葉参詣をする人も多くあらわれ絵にも描かれてさらに広まっていきました。
秋葉の火祭り-防火祭
秋葉山本宮秋葉神社では、12月15~16日に「秋葉の火祭り」が行われます。
三人の神職によって「弓の舞」「剣の舞」「火の舞」の舞が奉納されます。
秋葉神社御神宝
秋葉山本宮秋葉神社には、古来より名だたる武将が名を連ねる奉納がなされています。
多くの日本刀が献納されている歴史があり、重要文化財の日本刀をはじめ複数の太刀が保有されています。
『寶物実録』に記された献納者の内、名立たる武将として伊豫守源頼義・為朝・足利尊氏・今川仲秋・武田信玄・長曽我部元親・豊臣秀吉・加藤清正・福島正則などの名が挙げられる。
江戸時代には彦根藩藩主をはじめ各大名が名を連ねている。引用:https://www.akihasanhongu.jp/history/index.html
愛宕さん秋葉さんについての問題です
これまでの神社検定試験で実際に出題された過去の問題です。
神社検定試験過去問題集に記載されたものを選んでみました。
問題1
愛宕神社と秋葉神社は、共に何の神として祀られているでしょう?
- お手洗い
- 防火
- 水分
- 鍛冶
答えは2 防火
過去の試験での出題
- 平成24年6月3日 第1回神社検定 問24
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