神社のお札の数え方やお守りの数え方、さらに神様の数え方について、初めて調べる方にも分かりやすく整理します。神社での正しい表現や単位を理解すれば、参拝や問い合わせの場面で自信を持って言い換えられます。本記事では、基本の考え方から具体的な言い回し、関連する単位まで体系的にまとめます。
- 神社で用いられる数え方の全体像を理解できる
- お札とお守りと神様の単位の違いを把握できる
- 誤用を避けるための言い換え表現が分かる
- 電話や窓口で役立つ実用的な例文を習得できる
基本知識:お札、お守り、神様の数え方
- 用語と範囲の違いを整理
- お札の数え方の基本と例
- お守りの数え方の基本と例
- 神様の数え方の基本と例
- よくある誤用と言い換え

神社の授与品として一番多いものが御札とお守りです。
御札やお守り、絵馬や破魔矢などを頒布している場所を「授与所」といいます。

御札は、人の罪穢れを祓う道具として使われる「大麻」からきています。
お守りは、神様の力が込められたもので人を加護するためのものです。
用語と範囲の違いを整理
神社の授与品や祭祀の用語は、対象によって数え方が異なるため、最初に範囲を整理しておくと理解が進みます。一般に、お札(神札)は家庭や職場に祀る札状の授与品、お守り(御守)は身に着けたり持ち歩く小袋状の授与品、神様は祭神や神霊そのものを指します。
用語メモ
- 授与品(神社で授かる品の総称)
- 初穂料(授与や祈祷の際に納める金銭の呼称)
- 依代(神霊が宿ると見なす対象。御神木など)
対象 | 主な単位 | よくある表現 |
---|---|---|
お札(神札) | 体 | 一体、二体 |
お守り | 体 | 一体、二体 |
神様(祭神) | 柱/座 | 一柱、二柱/一座、二座 |
神体・神像 | 柱/体/座 | 一柱、または一体等 |
お札の数え方の基本と例
お札(神札)は、一体、二体と数えるのが基本です。お札は神霊が宿るとされるため、一般の物品と同じ一枚や一個では数えないという整理が広く示されています。授与を受ける際は「お札を二体受けたい」といった言い方が良いでしょう。
窓口や電話では、氏名・目的・数量の順に伝えると円滑です。例:「家内安全のお札を一体受けたい」「事務所用にもう一体授けてほしい」
御札の由来
御札とは、古来は陰陽道が起源とされますが、罪穢れを祓う道具として広まっていきました。
鎌倉時代以降は「お伊勢参り」「熊野参り」とともに全国に広まりました。
伊勢の「御師」が「神宮大麻」を普及させていきました。
「神宮大麻」はもともとは「御祓大麻」と呼ばれていました。
御札は、「御神札」や「神符」、「守札」とも呼ばれています。
御札は神社で神職が御祈祷し、神棚や玄関や台所などに祀ります。

ポイント:金銭は代金ではなく、初穂料として納める言い方が一般的です。
お守りの数え方の基本と例
お守りは、神様の依代を護符として身につける古来の習慣からきています。
勾玉など呪術に使うものを神様の依代として身につけ、懸守から背守や腕守など衣服に付ける肌守りになっていきました。
お守りは、携帯できる「守札」のことで錦の巾着に入ったお守りが一般的です。
「懸守」は、平安時代に貴族に広まり鎌倉時代には武士に広まっていきました。
最古の「懸守」は首から下げるもので、大阪府の四天王寺にあり国宝とされています。
お守りも、お札と同様に一体、二体と数えます。
背景として、お守りは神の分身と見立てる考え方が示されており、「買う・売る」よりも「受ける・授ける」という表現が好まれます。
「交通安全のお守りを一体受けたい」「家族分として三体授かりたい」のように、体で数える表現をします。
神様の数え方の基本と例
神様(祭神)は一柱、二柱と数えるのが一般的です。文脈
によっては一座、二座と表す用例も紹介されています。
使い分けの考え方
※神様を「柱」と数える由来は、縄文時代から神様の依代とされる御神木を神に見立てる祭祀が行われてきたことに由来します。
お神輿は「基」いっき、にきと数えます。

平安時代の延喜式人名帳では、神様を「座」いちざ、にざと数えられています。
社殿や山に鎮まる神を総称的に述べる場面では座、神名を挙げて数える場面では柱が用いられることがあります。現地表示や社務所の案内に従うのが確実です。
よくある誤用と言い換え
一個・一枚など物品の単位で数える誤用は目立ちます。公的な案内では、授与品を体、祭
神を柱とする表現が推奨されています。
迷った場合は、社務所で用いる言い方を確認し、「体」や「柱」へ置き換えるのが安全です。
注意:「お守りを買う」より「お守りを受ける」。金銭は代金ではなく初穂料の表記が案内に見られます(参照:出雲大社公式コラム)。
神社での様々な数え方
- 神輿や鳥居など関連単位
- 例文で学ぶ丁寧な伝え方
- まとめ:お札、お守り、神様の数え方
神輿や鳥居など関連単位
授与品と祭神以外にも、神社に関わる対象には定番の単位がありま
す。神輿や鳥居は一基、二基、神社は一社、二社とする表現が一般的に紹介されています。幟は参道に対で立てるため一対、単体では一旒とする用例が案内に見られます。
対象 | 主な単位 | 数え方の例 |
---|---|---|
神輿 | 基 | 一基、二基 |
鳥居 | 基 | 一基、二基 |
神社(社) | 社 | 一社、二社 |
幟 | 対/旒 | 一対、または一旒 |
山(霊峰) | 座 | 一座、二座 |
例文で学ぶ丁寧な伝え方
問い合わせや授与の場面では、以下の型を覚えておくと、場面に応じて誤りなく伝えられます。
窓口・電話での定型フレーズ
「交通安全のお守りを二体受けたい」「厄除けのお札を一体授けてほし
い」「ご祭神は何柱お祀りですか」のように、体・柱の使い分けを明確にします。
案内文・掲示の表現
「当社のご祭神は三柱をお祀りしています」「神輿は二基を渡御します」「参道に幟を一対設置します」のように、書かれていることが多いので注意して観察してみましょう。
チェックリスト
授与=受ける/授かる、金銭=初穂料、祭神=柱、授与品=体。
まとめ
- お札とお守りは体で数えるのが基本であり敬称として定着
- 神様は柱で数える表現が一般的で神体への敬意を示す
- 神社や社殿は一社二社と数える慣用があり案内文で多用
- 鳥居と神輿は一基二基とする表現が資料で広く確認
- 幟は参道で一対とし単体では一旒とする用例がある
- 神体や神像は柱体座など複数の単位が文献で併用される
- 授与品は買うではなく受ける授かると表現するのが作法
- 金銭は代金ではなく初穂料や玉串料とされるのが通例
- 複数求める場面では何体と丁寧に申し出るのが望ましい
- 誤用の一個一枚は避け適切な単位へ置き換える意識が重要
- 地域や社寺で表記が揺れる場合があり現地の案内を尊重
- 正確さ重視で公式サイトや辞典の表記を優先して確認
- 祭祀の文脈では柱と座の使い分けを理解して選択
- 例文の型を覚えれば電話や参拝時の会話で迷いにくい

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