この記事では、正月飾りについてまとめました。
昔は12月13日が「すすはらい」で、家中の大掃除をすませお正月を迎える準備をしました。
「一夜飾り」は正月飾りを大晦日に行うのは神様に失礼にあたると考えられ嫌われました。
地域によっては、神棚とは別に歳徳棚(恵方棚)を設けるところもあります。
ここでは、「神社検定テキスト 神社のいろは」第5章の61正月飾りについて教えてくださいのページの内容を掘り下げて学習し、暗記しやすいようにスマホでも見やすい1ページにまとめてみました。
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歳神様 年神様
神社検定テキスト『神社のいろは』によりますと、年神様(としがみさま)は、私たちのご先祖であると考えられています。
古くから日本人は、人が亡くなってもその魂はその土地にとどまり愛する人や子孫と共に生き、その幸せを見守り続けてくれていると考えてきました。神社検定三級テキスト神社のいろは
御先祖である年神様は、地域を望むことのできる山にとどまっておられると信じてきました、
そして、正月やお盆の時季に子孫と交流するために降りて来られると考えていたそうです。
♪正月様どこまで なんとか山の下まで♪
と、子供たちが待ち遠しく歌っていたと伝わります。
お盆は仏教行事という印象がありますが、古来日本人の祖霊に対する考え方に基づいています。
(海の彼方から来るとされている地域もあります。
精霊流しは、海の彼方から来た祖霊を送る行事ということです。)
古語拾遺 大歳神
古語拾遺による大歳神の説話です。
田の神である大地主神が、耕作人に牛を食べさせたことに立腹し、イナゴを放ち収穫を台無しにしてしまいます。
古語拾遺による大歳神のイメージは、自在に災害を起せる荒ぶる自然神とされています。
また流行り病である疱瘡の神ともされています。
陰陽道 歳徳神
陰陽道での歳徳神とは、人の運命を司る神とされています。
歳徳神が来る方位を恵方「明の方」と呼び、そちらに向け歳徳棚を供えました。
頗梨采女(はりさいじょ)
歳徳神のお姿は、美しい女神とされる場合もあります。
頗梨采女(はりさいじょ)は、牛頭天皇の后でありスサノオノミコトの后と考えられます。
櫛稲田姫と同一ともされています。
老夫婦 翁
東北の一部の地方では、能の高砂に出てくるような老男老女で、左義長(どんど焼き、さえのかみ)の煙に乗って帰って行く姿が見えるという伝承があります。
煤払い-すすはらい
昔からお正月を迎える準備として12月13日に煤払い(すすはらい)が行われます。
正月飾りを大晦日に行うのは、神様に失礼にあたると考えられ、一夜飾りといって嫌われました。
そして注連飾りを付けて、お供え餅、米、酒、塩を供え年神様をお迎えします。
地域によっては、神棚とは別に歳徳棚(としとくだな)を設けるところもあります。
歳得棚とは、恵方棚ともいい歳徳神(としとくじん)をまつるための神棚のことです。
正月に年神様が恵方から来るとの思想に基づき、その年の恵方の鴨居に設置し注連縄、松竹、供物、灯火などを供えます。
毎年作り加えるもの、お寺などで常設のものがあります。
老舗では天井からつるして全方位対応に作ったものもあります。
しめ飾り
正月の注連飾りは、一般的な形としては、注連縄に紅白の紙垂をつけます。
更に裏白、ゆずり葉などの植物や、橙などの果物、他には海藻や海老などが付いたものもあります。
裏白-うらじろ
裏白は正直潔白、夫婦円満を意味する縁起ものです。
葉の表は濃い緑で常緑のままで長寿を表します。葉の裏が白いため「裏がない」という潔白の意味と、「白髪」の意味ともされています。二葉相対ですので夫婦円満として、葉の裏が白いので夫婦とも白髪にも通じ、おめでたいものとされています。
ゆずり葉
ゆずり葉は、新葉が開いてから古葉が垂れ下がり譲る形になるため、家督をゆずり絶やさないことと子孫繁栄を意味する縁起ものです。
橙
橙は音が「代々」に通じるため、家系が代々栄える子孫繁栄を意味する縁起ものです。
海老
海老は長寿であることを意味する緑起物であり、腰の曲がった姿は翁に似ているため不老不死を意味し、伊勢エビは「威勢」に音が通じるとされています。また、神様への神饌でもあります。
門松
門松は、年神様をお迎えするための依代ともいわれています。
歳神様が家に降りてくる目印となるほか、新年を迎える象徴とされます。
門松は、長さを違えた竹を松で束ね、梅の葉をあしらい荒縄で縛るのが一般的な形とされています。
左右対にして飾るようになったのは江戸時代からです。
向かって左側には雄松、右側に雌松を置くのが正式とされています。
雄は縦に長く整え、雌は広がるように作るとされています。
「松は千歳を契り、竹は万代を契る」とされ、依代が永遠に続<事を願い作られたものとされています。
竹の節を斜めに切った切り口は、「笑った口」を表し「笑う角には福来たる」という意味もあるそうです。
鏡餅
正月には鏡餅を飾ります。
日本の主食である稲の収穫に感謝し、豊作を祈るためです。
古来より、穀物はご先祖から贈られたものと信じられきました。
よって、穀霊は祖霊の変化したものと考えられてきたという説があります。
餅花
くろもじの木や稲藁などに小さく切った餅を付けて、花のようにしたものが餅花です。
神棚や床に祀ります。
稲藁で作った餅花は稲穂のように垂れ下がります。
春になると新たな命を咲かせる「花」をも象徴します。
雑煮や汁粉
鏡餅は、無病息災を祈って神様からのお下がりをいただき食します。
この餅を食べると、生命の更新が図られると考えられています。
鏡開きの日は地域によってさまざまですが、大抵はお雑煮やお汁粉で食べます。
京都近郊では1月4日が多く、北海道地方では1月7日に行うところもあります。
東北、関東、九州の一部の地域では1月11日に行うところもあります。
関西を中心に1月15日に行う地域が多いようです。
竿の先に餅を付けて焼く「ワーホイ」という慣わしもあります。
お焚き上げ どんと焼き
正月飾りは七日の七草までお飾りします。
小正月(15日)に行われるどんど焼きなどでお焚き上げされます。
地域によっては一年間飾っている地方もあります。
どんと焼きの他にも地域によって呼び方が違います。
道祖神祭、さいと焼き、鬼火たき、ワーホイ等とも呼ばれています。
正月飾りについての問題です
これまでの神社検定試験で実際に出題された過去の問題です。
神社検定試験過去問題集に記載されたものを選んでみました。
問題1
門松や注連飾り、鏡餅などの正月飾りは年神様をお迎えするためのものです。
年神様は、正月様、歳徳様などとも呼ばれます。
新しい年に豊かな実りをもたらす神様で( )と考えられ、古くからの信仰に基づくものです。
( )に入る言葉として最も適切なものはどれでしょう
- 水の神様
- 地域の御霊
- 土の神様
- 祖先の御霊
答えは4 祖先の御霊
過去の試験での出題
- 平成25年6月2日 第2回神社検定 問38
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