第13回神社検定 令和7年06月29日(日)

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6-71 神宮式年遷宮について【神社のいろは-独学神社検定】

式年遷宮とは、伊勢神宮で20年ごとに行われる日本の伝統的な神事です。この儀式では、正殿をはじめとする社殿や御装束、神宝がすべて新調され、御神体が新しい社殿に遷されます。式年遷宮は約1300年前に天武天皇によって制度化され、持統天皇の時代に初めて実施されました。その目的は、建築技術の継承や信仰の再生、「常若(とこわか)」という永続性と再生を象徴する思想を体現することにあります。

この行事は単なる建物の更新ではなく、日本文化や精神性を支える重要な役割を果たしています。

 

  • 式年遷宮とは何かを理解できる
  • 式年遷宮の歴史や起源について学べる
  • 20年ごとに行われる理由を知ることができる
  • 式年遷宮が日本文化や精神性に与える意義を理解できる
・式年遷宮
・御装束神宝
・御聴許(ごちょうきょ)
・遷御(せんぎょ)
・御治定(ごじじょう)
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式年遷宮の歴史と意義

・式年遷宮とは何か
・式年遷宮の1300年にわたる歴史
・式年遷宮が20年ごとに行われる理由
・式年遷宮における古殿地の役割
・他の神社における式年遷宮との違い

式年遷宮とは何か

式年遷宮とは、伊勢神宮で20年に一度行われる日本の伝統的な神事です。この儀式では、正殿をはじめとする社殿や御装束、神宝などをすべて新しく造り替え、御神体を新しい社殿に移します。この行事は単なる建物の更新ではなく、信仰を新たにし、神の力を蘇らせる象徴的な意味を持ちます。

式年遷宮は約1300年前に天武天皇の発案で始まりました。20年という周期は、建物の耐久性や技術継承の観点から決められたとされています。また、新しいものを神に捧げることで「常若(とこわか)」という永遠の若さや再生を表現しています。

この儀式は、日本文化や精神性を象徴する重要な行事として現代まで続けられています。

式年遷宮のながれ

①天皇陛下から遷宮斎行のご下命

②山口祭(御用材伐り出しの安全を祈るお祭り)

③御治定を仰いで遷御のための祭典や行事を執り行う

式年遷宮の1300年にわたる歴史

式年遷宮は、伊勢神宮で行われる約1300年の歴史を持つ重要な神事です。その起源は飛鳥時代にさかのぼり、天武天皇が制度を定め、持統天皇の時代である690年に第1回目が実施されました。この儀式は、20年ごとに社殿や神宝を新調し、御神体を新しい正殿に遷すことを目的としています。

歴史の中では、中断や延期があったものの、戦国時代の混乱期を経て江戸時代には安定して執り行われるようになりました。明治以降は国家事業として再興され、戦後は国民の奉賛によって支えられる形へと変化しました。このように、式年遷宮は時代ごとの社会状況に適応しながら継続されてきました。

この儀式は建築技術や工芸技術の継承にも寄与しており、日本文化の象徴として現代まで受け継がれています。平成25年には第62回目が実施され、多くの人々がその伝統と意義を再確認しました。式年遷宮は単なる建物の更新ではなく、日本人の精神文化を支える重要な行事として位置づけられています。

 

式年遷宮が20年ごとに行われる理由

式年遷宮が20年ごとに行われる理由には、いくつかの説がありますが、定説はありません。その中でも特に注目されるのは、建築や技術の維持・継承、信仰の再生、そして日本文化に根付く「常若(とこわか)」の精神です。

まず、伊勢神宮の社殿は桧の素木造りであり、茅葺き屋根を使用しているため、自然素材の劣化を防ぐために20年周期で建て替える必要があります。これにより、常に清々しい状態を保つことができます。また、この周期は伝統技術を次世代に継承するためにも適しています。20年という期間は、熟練した職人が若手を育成し、その技術を確実に伝えるための合理的なサイクルとされています。

さらに、「常若」の思想も重要な要素です。これは、新しいものを作り続けることで永遠性を象徴する日本独自の考え方です。この儀式によって神々への敬意を新たにし、信仰を再確認する機会ともなります。

また、古代日本では20年を「満数」として区切りと考える文化がありました。これが式年遷宮の周期にも影響しているとされています。このように、式年遷宮は物理的な理由だけでなく、日本人の精神性や文化的価値観にも深く結びついています。

 

式年遷宮における古殿地の役割

式年遷宮における古殿地は、以前の社殿が建てられていた場所であり、神事や伝統を支える重要な役割を果たしています。新しい社殿が完成すると、御神体を新社殿に移す「遷御(せんぎょ)」が行われ、古殿地はその後20年間、神聖な土地として保たれます。

古殿地は、新しい社殿が完成するまでの間、現行の社殿が使用されるため、遷宮の円滑な進行を支える役割も担います。また、古殿地を保持することで、建築技術や祭祀の伝統が次世代へと継承される仕組みが確立されています。さらに、この場所は「常若」の思想を体現する場としても意義深いものです。

古殿地の存在意義は、次回の遷宮までの間、神域としての清浄さを保つことにあります。また、古殿地を維持することで、社殿の建築技術や祭祀の伝統を次世代へと受け継ぐための場ともなっています。さらに、古殿地では一部の儀式が行われることもあり、その神聖性は現在でも高く評価されています。このように、古殿地は単なる旧敷地ではなく、式年遷宮の循環的な営みを象徴する重要な要素となっています。新旧の社殿が隣り合うことで、「常若(とこわか)」という再生と永続性の思想が視覚的にも表現されています。

式年遷宮において古殿地は、以前の社殿が建っていた場所を指し、新たな社殿建設後も重要な役割を果たします。この土地は、神聖な場所として次の遷宮まで維持され、神威を保つ象徴的な存在とされています。遷宮後には覆屋(おおいや)と呼ばれる構造物が設置され、古殿地が神聖な空間として保護されます。これにより、古殿地は単なる歴史的な敷地ではなく、日本文化や信仰を支える重要な要素となっています。

 

他の神社における式年遷宮との違い

伊勢神宮の式年遷宮は特に有名ですが、他の神社でも同様の遷宮が行われる場合があります。ただし、その内容や目的にはいくつかの違いがあります。伊勢神宮では20年ごとに社殿が完全に新築されますが、他の神社では修繕や部分的な再建にとどまることが多いです。

また、伊勢神宮の式年遷宮は「常若(とこわか)」という思想を象徴し、建築技術や信仰の再生を重視しています。一方で、他の神社では地域ごとの伝統や資源の状況に応じて行事が実施されるため、その周期や規模は一定ではありません。

例えば、出雲大社では約60年ごとに「遷宮」が行われますが、これは屋根の葺き替えなどを中心とした修繕が主な目的です。

さらに、伊勢神宮では国民的な奉賛活動が広く行われる一方、他の神社では地域住民による支援が中心となることが多いです。このように、式年遷宮は各神社ごとに特色があり、それぞれの文化や信仰を反映した形で受け継がれています。

 

式年遷宮の詳細とその影響

・式年遷宮にかかる費用と国民の奉賛
・式年遷宮で新調される神宝や装束
・式年遷宮が象徴する「常若」の思想
・現代社会における式年遷宮の意義

式年遷宮にかかる費用と国民の奉賛

式年遷宮には莫大な費用がかかり、前回の第62回では総額約558億円が必要とされました。この費用は、社殿の建て替えや御装束・神宝の新調などに充てられます。今回の遷宮では資材価格や人件費の高騰が懸念されており、さらなる費用増加が予想されています。

現在、式年遷宮は国民からの奉賛金によって支えられています。戦後、政教分離の原則により政府からの支援がなくなったため、神宮司庁が中心となり、全国から浄財を募る形へと移行しました。この仕組みは「民間遷宮」とも呼ばれ、多くの人々が心を一つにして支える伝統として定着しています。

また、奉賛活動には金銭的な支援だけでなく、地域社会との協力も含まれます。例えば、地元住民や企業が木材や技術を提供し、次世代への技術継承にも貢献しています。このように、式年遷宮は国民全体の協力によって成り立つ、日本独自の文化的行事となっています。

 

式年遷宮で新調される神宝や装束

式年遷宮では、社殿の建て替えだけでなく、神々に捧げる御装束や神宝もすべて新調されます。この御装束神宝は、衣服や調度品、武具、楽器など多岐にわたり、総数は約1576点にも及びます。これらは平安時代の「儀式帳」の規定に基づき、当代最高の美術工芸家によって制作されます。
御装束は神々がお召しになる衣服や装飾品を指し、神宝は神々の御用に供する調度品を意味します。例えば、貴重なトキの羽を使用した「須賀利御太刀」や、最高級の真珠を用いた「御白玉」などが含まれます。これらは伝統技術の粋を集めたものであり、日本文化の美と技術を象徴しています。
また、新調された御装束神宝は20年間使用された後、西宝殿に保管され、その後全国の神社に下附されることもあります。このように、式年遷宮は単なる更新ではなく、伝統技術の継承や日本文化の保存にも大きく寄与しています。

式年遷宮で展示される神宝の例

・玉纏御太刀(たままきのおんたち)
鞘に水晶や瑠璃、琥珀などの宝石が鏤められた豪華な儀礼用の太刀
・須賀利御太刀(すがりのおんたち)
儀礼用の飾太刀で、精緻な装飾が施された御太刀
・瑞花双鳳八稜鏡
鳳凰と瑞花の彫刻が施された平安時代の銅鏡
・金銅雛形五弦琴
奈良時代の楽器で、沖ノ島祭祀遺跡から出土した国宝
・桐蒔絵手箱
化粧道具を収めた美しい蒔絵の手箱これらの神宝は、式年遷宮ごとに新調される御装束神宝の一部であり、日本最高峰の美術工芸技術を駆使して制作されています。

巫女
巫女

一部は展示会や博物館で公開され、その歴史的・文化的価値を広く伝えています

 

式年遷宮が象徴する「常若」の思想

式年遷宮が象徴する「常若(とこわか)」の思想は、常に若々しく新しい状態を保ちながら永続性を追求する日本独自の考え方です。この思想は、20年ごとに社殿を建て替え、御装束や神宝を新調するという式年遷宮の営みによって具体化されています。

「常若」の根底には、物理的な更新を通じて精神的な新鮮さや活力を維持するという考えがあります。例えば、伊勢神宮では社殿を新しく建て替えることで、神域の清浄さを保ち続けています。この行為は単なる修繕ではなく、伝統の継承と再生を同時に実現するものです。

「常若」は自然の循環や生命の再生とも深く結びついています。古いものを壊し、新しいものを作ることで、永遠性を象徴する「循環の美学」が表現されています。この思想は、日本文化全体に影響を与え、建築や工芸だけでなく精神性や価値観にも反映されています。

巫女
巫女

「常若」の思想は式年遷宮の中心的な理念であり、日本人の美意識や文化的アイデンティティを支える重要な要素となっています。

現代社会における式年遷宮の意義

式年遷宮が象徴する「常若(とこわか)」の思想は、常に若々しく新しい状態を保ちながら永続性を追求する日本独自の考え方です。この思想は、20年ごとに社殿を建て替え、御装束や神宝を新調するという式年遷宮の営みによって具体化されています。

「常若」の根底には、物理的な更新を通じて精神的な新鮮さや活力を維持するという考えがあります。例えば、伊勢神宮では社殿を新しく建て替えることで、神域の清浄さを保ち続けています。この行為は単なる修繕ではなく、伝統の継承と再生を同時に実現するものです。

また、「常若」は自然の循環や生命の再生とも深く結びついています。古いものを壊し、新しいものを作ることで、永遠性を象徴する「循環の美学」が表現されています。この思想は、日本文化全体に影響を与え、建築や工芸だけでなく精神性や価値観にも反映されています。

式年遷宮が現代社会に与える具体的な影響

・地域経済の活性化
式年遷宮の年には参拝客が大幅に増加し、観光業や関連産業が活性化する。過去の遷宮では参拝者数が前年比20%以上増加し、地域経済に大きな貢献を果たした
・建築文化と技術の継承
式年遷宮は伝統的な建築技術や工芸技術を次世代に継承する場となっており、日本固有の文化的価値を守る役割を担っている
・「常若」の思想による精神的影響
古いものを新しくすることで永続性を象徴する「常若」の思想は、現代社会におけるサステナビリティや循環型社会のモデルとして注目されている
・国民的な一体感の醸成
式年遷宮は全国から奉賛金や協力を募ることで、多くの人々が参加し、日本全体で伝統を支える意識を高めている
・観光業への長期的な波及効果
遷宮後も新しい社殿を見ようと参拝者が増え、その効果は数年間継続する傾向がある

このように、「常若」の思想は式年遷宮の中心的な理念であり、日本人の美意識や文化的アイデンティティを支える重要な要素となっています。

 

まとめ

  • 式年遷宮は伊勢神宮で20年ごとに行われる神事である
  • 天武天皇が制度を定め、約1300年の歴史を持つ
  • 社殿や御装束、神宝を新調し、御神体を新社殿に移す儀式である
  • 20年周期は建築技術の継承や信仰の再生に適している
  • 「常若」の思想を象徴し、永続性と再生を表現している
  • 古殿地は次回の遷宮まで神聖な土地として維持される
  • 他の神社では修繕が中心で、伊勢神宮とは規模が異なる
  • 式年遷宮には莫大な費用がかかり、国民の奉賛で支えられている
  • 新調される神宝は1576点以上に及び、日本文化を象徴する
  • 須賀利御太刀や瑞花双鳳八稜鏡などが代表的な神宝である
  • 遷宮は伝統技術や工芸技術の継承にも寄与している
  • 現代社会では地域経済の活性化にもつながっている
  • 「常若」の思想はサステナビリティのモデルとして注目されている
  • 遷宮後も参拝者が増加し、観光業への波及効果が続く
  • 式年遷宮は日本文化や精神性を支える重要な行事である

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