神社での昇殿参拝(正式参拝)時の正座と敬礼の作法についてです。
昇殿参拝では、正式な作法に則り、身だしなみを整え神様に御祈願をしますが、敬礼の仕方にも種類があります。
ここでは、「神社検定テキスト 神社のいろは」第2章の⑲昇殿参拝の作法2について教えてくださいのページの内容を掘り下げて学習し、暗記しやすいようにスマホでも見やすい1ページにまとめてみました。
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昇殿参拝(正式参拝)の正座
昇殿参拝(正式参拝)では、立礼(りゅうれい)と座礼(ざれい)があります。
立礼とは、立ったまま拝礼すること、
座礼とは座って拝礼することをいいます。
拝殿での御祈祷では、神主さんが正座をして祝詞を奏上するイメージがあるのですが、御祈願をしてもらう人には、胡床(こしょう)が用意されている場合がほとんどです。
胡床はもともと、中国周辺の国で使われる折り畳みの椅子です。
座礼の場合、長時間の正座では膝などの足腰に負担が掛るために、高齢化と生活様式の変化に伴って、胡床を積極的に採用する神社が増えてきています。また、寺院でも胡床を使われるところが増えてきています。
胡床は折りたたんで収納できるため、持ち運びがしやすく寺社ではよく使われています。
バリアフリーの整った施設では、腰掛や備え付けの椅子が用意されている場合がほとんどです。
胡床の座り方
胡床の座り方は、横棒の上にお尻を乗せる「宮座り」が正式な座り方とされています。
普通は布の部分にお尻を乗せて、横棒が腿の下にくるように座っています。
横棒を縦に置くのは武者座りといい武士などの座り方でした。
昇殿参拝(正式参拝)の敬礼
昇殿参拝(正式参拝)では、拝礼の仕方に種類があります。
拝揖(はいゆう)は、古来より朝廷や神道で使われるお辞儀や会釈にあたる作法のことをいいます。
正式参拝や昇殿参拝のほかにも、祭典に参列する際は神職がするような深いお辞儀の「平伏(へいふく)・磐折(けいせつ)」をします。
拝(はい)
拝は、90度でおよそ一呼吸の間(約3秒間)の間に行う拝礼の作法のことをいいます。
座礼(ざれい)と立礼(りゅうれい)で姿勢が違います。
揖(ゆう)
揖は、さらに丁寧なお詣りの際にする作法で、直前直後の動作の際に行い動作をさらに丁寧にするものです。
小揖(しょうゆう)
小揖(しょうゆう)は15度で動作の直前直後に行います。
深揖(しんゆう)
深揖(しんゆう)は45度でおよそ半呼吸の間に行います。
立礼の場合は浅い磐折(けいせつ)と同じ姿勢ですが動作時間が違います。
磐折(けいせつ)立礼-直立
深い磐折(けいせつ)
60度の姿勢で行い、時間は一定していません。
浅い磐折(けいせつ)
45度の姿勢で行い、時間は一定していません。
平伏(へいふく)座礼-正座
深い平伏(へいふく)
60度の姿勢で行い、時間は一定していません。
浅い平伏(へいふく)
45度の姿勢で行い、時間は一定していません。
作法一覧 (手に持ち物のない場合)
拝(はい)
90度で行う およそ一呼吸の間に礼をする 立礼の場合:膝頭を手で覆う程度 続けて行う場合は腿の中程に手を戻す 座礼の場合:指先が膝頭に接する程度 続けて行う場合は膝頭の横に手を戻す |
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小揖(しょうゆう)
動作の直前直後に行う15度の礼 立礼の場合:指先腿の上部に下げる程 座礼の場合:膝頭の横で指先床に付ける
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深揖(しんゆう)
拝礼の直前直後に行う45度の礼 立礼の場合:指先は腿の中程 座礼の場合:両手の指先の間隔は5寸ほど
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浅い平伏
45度の姿勢で行います。 時間は一定していません。 両手の指先の間隔は5寸ほど |
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浅い磐折
45度の姿勢で行います。 時間は一定していません。 指先は腿の中程 |
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深い平伏
60度の姿勢で行います。 時間は一定していません。 両手の指先の間隔は3寸ほど |
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深い磐折
60度の姿勢で行います。 時間は一定していません。 指先は膝頭の上程度あたり |
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同じ作法を続ける場合は、都度姿勢を戻してから行います。
拝礼の手順
①神前の三歩手前で小揖(15度の会釈)
②左足から三歩進み、足を揃えて神前で深揖(45度のお辞儀)
③二拝二拍手一拝
④神前から下がる際に深揖(45度のお辞儀)
⑤右足から三歩下がり、小揖(15度の会釈)
正式参拝の流れ
- 修祓参列者の心身についた罪穢れを祓い神職が祓詞を奏上する
- 斎主一拝斎主が神前に進み一拝、参列者も合わせて一拝する
- 献饌神饌を神様にお供えすること
- 祝詞奏上参列者の御祈願を斎主が神様に祈念する
- 玉串拝礼神様に玉串を奉る
- 撤饌祭員が神饌をお下げする
- 斎主一拝斎主が神前に進み一拝、参列者も合わせて一拝する
- 直会お下げした神饌やお神酒を飲食し神様の力をいただく
昇殿参拝の作法についての問題です。
これまでの神社検定試験で実際に出題された過去の問題です。
神社検定試験過去問題集に記載されたものを選んでみました。
問題1
神様をお祭りする作法は、この「○○」から始まり、神職はじめ参列者、また神様へのお供えまで、神前に出るものすべて「○○」を受けます。
この「○○」に入る言葉はなんでしょう?
- 小揖(しょうゆう)
- 黙禱(もくとう)
- 修祓(しゅばつ)
- 深揖(しんゆう)
①深揖(しんゆう)小揖(しょうゆう)とは敬礼の作法のことです。敬礼の作法には「拝(はい)」と「揖(ゆう)」があります。拝は最も敬意を表す動作です「腰を90度折ってひれ伏します」
「揖(ゆう)」は「拝(はい)」に次ぎ、「深揖(しんゆう)45度腰を折る」と「小揖(しょうゆう)15度腰を折る」があります。
お祓いを受ける時は、「平伏(へいふく)」「磐折(けいせつ)」 となります
平伏(へいふく)は「座礼(ざれい)」正座をしている時のお辞儀
磐折(けいせつ)は「立礼(りゅうれい)」立っている時のお辞儀
答え 3 修祓(しゅばつ)
過去の試験での出題
平成24年6月3日 第一回神社検定 出題問題 問12
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